FX取引において相場動向の予測は必要不可欠です。
そこでFXでは相場動向の予測に、テクニカル分析もしくはファンダメンタルズ分析がよく用いられています。
両方の分析方法を把握することで、スムーズな相場予測が行いやすくなるでしょう。
本記事では、テクニカル分析とファンダメンタルズ分析の特徴や手法を説明します。
FXに用いる2つの分析方法
FXに用いる分析方法には、次の2種類が挙げられます。
- テクニカル分析
- ファンダメンタルズ分析
方法ごとの特徴について解説します。
1.テクニカル分析
テクニカル分析とは、過去の値動きを示すチャートを使って値動きのサイクルに注目し、分析を行う方法です。
価格推移を重要視するテクニカル分析は、過去の取引パターンが繰り返される考え方が基準となっています。
時間軸は1分から1ヶ月まであり、時間軸によって値動き状況を細かく分析できます。
さらにチャートを見ることで、取引時に投資家が感じていた心理状況を把握しやすいといった特徴もあります。
2.ファンダメンタルズ分析
ファンダメンタルズ分析とは経済市場を基準とした分析で、それぞれの国の経済状況や金融政策、金利などに注目して分析を行います。
要人の発言情報も重要とされ、中銀総裁の発言を基に相場を予測するのです。
政局が安定し景気が良い国は、通貨が上昇する傾向にあります。
逆に政局が安定せず景気が悪くなると、通貨が下落する予測が立てられます。
また金融政策の内容によって、金利が引き上げられることが多いと、国の通貨は上がりやすくなります。
自然災害や政局の変化など、予測しえない事態が起きると相場にも影響があるため、日々の情報収集によって不測の事態に備えることが重要です。
FXにおけるテクニカル分析の例
過去の値動きを示すチャートを用いるテクニカル分析の例として、次の2種類に大別できます。
- トレンド系
- オシレーター系
それぞれの詳しい内容を解説します。
トレンド系
トレンド系は、相場がこれから上昇するのか、もしくは下降していくのか、マーケットの方向性を見極める際に使われる分析例です。
一般的にトレンド系の指標は、次の3つの指標を使います。
- 一目均衡表
- MACD(マックディー)
- 移動平均線
オシレーター系
オシレーター系では相場が買われ過ぎたり、売られ過ぎたりする状況をインジケーターで分析します。
FXにおけるインジケーターとは、チャートの上部や下部に表示するサポートツールです。
インジケーターの活用は、そのチャートが示す意味を分かりやすくする効果があります。
上昇トレンドが発生しているときに、オシレーター系のインジケーターが売られ過ぎと表示していれば、買いを狙っていきます。
ファンダメンタルズ分析の例
FXで経済市場を基準としたファンダメンタルズ分析を行う場合、以下3つのポイントを押さえましょう。
- 経済指標
- 要人発言
- 金融政策
ファンダメンタルズ分析を行う上で欠かせないのが、経済指標の把握です。
各国の政府や中央銀行などが発表する経済データは、FX取引を進める上で重要な情報といえます。
経済指標と同様、FX取引で重要な情報となるのが要人発言です。
政府や中央銀行などに所属する要人の発言は、相場に大きく影響します。
他にも政策金利の動向や緩和引き締めの政策など、金融政策も相場に大きく影響します。
とはいえ初心者がいきなり金融政策を理解するのは容易ではないため、まずは経済指標や要人発言の把握に重点を置くと良いでしょう。
テクニカル分析を行う際の注意点
テクニカル分析は過去市場の動きを基に、今後の市場を分析する手法であり、比較的再現性が高い傾向にあります。
しかし、以前は上昇ポイントだったのに、いきなり下落するといったように、推測通りに価格が推移しないケースも少なくありません。
さらに、自然災害や世界情勢の変化などの突発的な事象に対して、テクニカル分析は対応しにくい傾向にあります。
そのためもし分析と大幅に異なる動きを市場がとった場合、損出しが発生しやすいため早めの対策が必要です。
FXでファンダメンタルズ分析を行う際の注意点
ファンダメンタルズ分析は、中長期な相場分析に向いている分析方法です。
経済指標がすぐに市場へ影響を及ぼすことは稀ですので、短期的なトレード分析には不向きです。
さらにファンダメンタルズ分析で活用する材料によっては、為替相場に直接影響が発生しない場合もあります。
まとめ
ここまでFX取引でよく用いられる、テクニカル分析とファンダメンタルズ分析をご紹介しました。
テクニカル分析は短期的なトレード向き、ファンダメンタルズ分析は長期的なトレード向きの分析方法です。
それぞれ特徴が異なるため、相場予測には両方の分析方法を活用すると良いでしょう。
また、分析方法ごとに注意点も大きく異なります。
自身のトレードスタイルにあわせて分析方法を決めなければなりません。
FX初心者の方は取引回数を重ね、徐々に理解を深めてみてください。